顎の痛みJaw Pain

顎関節症とは、顎関節や咀しゃく筋(咬む筋肉)の痛み、関節の歪み、開口閉口障害などの運動異常を特徴とする総称です。顎の開け閉めには、咀嚼に関わる様々な筋肉、関節の安定性に関わる関節包靱帯、関節内のクッションである関節円板などの組織が正しく機能している必要があります。何らかの原因でこれらに問題が起きた場合、痛みや動きの異常、音が現れることになります。顎関節の問題により、顔や頭が歪んでしまうこともあります。

顎関節症の代表的な問題と原因

姿勢


長時間のデスクワークやパソコン、モバイル機器の使用により多くの人が猫背になり、顎が前に突き出た状態になります。この姿勢は首や顎の関節に持続的なストレスがかかります。長く放置してしまうと次第に関節の動きが悪くなり、場合によっては顔が歪んだように見えることがあります。次第に炎症が起きると、顎を動かさなくても強い痛みを感じるようになります。
デスクワークやパソコン以外にも、食事の際に片側だけで咬む、歯並びが悪く均等に力が分散しない、スポーツで歯を食いしばる、歯ぎしりをする、頬杖(ほおづえ)をつく、テレビやパソコンを見るときに正面ではなく首を捻りながら見るような姿勢も顎関節症になるリスクを高めます。

ケガ


ボクシングなどの格闘技、ラグビーやアメリカンフットボール、サッカーなどのコンタクトスポーツで顎に直接衝撃を受けることで、筋肉、靭帯、関節円板、軟骨などの顎関節を構成する組織に損傷が起きることがあります。競技中は我慢できてしまうことがありますし、気づかないうちにストレスをかけていることがよくあります。毎日鏡の前で口を開き、指が何本入るか確認しておくと良いでしょう。少しでも開口障害を感じたら、早めに対処することをお勧めします。その理由は、スポーツと顎と歯の関係は非常にパフォーマンスに影響を与えるためです。

精神的なストレス


長期に渡る、もしくは一過性の強い精神的なストレスは脳に大きな変化をもたらすことがわかってきています。結果として、歯ぎしりや食いしばりが起き、顎関節に強い負担をかけてしまうことがあります。顎関節に関わる動きや痛みなどの感覚は、三叉神経という脳神経の働きによるものです。そのため、顎関節の問題は脳に非常に強い影響力があり、自律神経機能やホルモンバランスへの影響も考慮する必要があります。顎関節症を抱えている方に不眠や鬱のようなトラブルが多いのもこの一例です。

病気


虫歯、リウマチ、線維性筋痛症、自律神経失調症などの病気により、顎関節症を発症される方もいらっしゃいます。

顎関節症に対するカイロプラクティックのアプローチ

当センターには20代?40代の女性の患者さんが顎関節の問題を訴えてご来院されるケースが多いです。顎関節症はカイロプラクティックのケアにより改善・回復する可能性が高い問題の一つです。特に、痛みや開口障害に対しては約90%のケースで成果を上げることができています。
一方、音に関しては約50%と成果が変わってきます。
おおよそ、3回ほどの施術で効果を実感していただけます。
顎関節症に対する4つのアプローチは以下のとおりです。

顎関節の動きを整える


顎関節内には、クッションの役割を果たす関節円板やスムーズに関節を動かすための潤滑液があります。また、関節周囲には関節包という靭帯が覆い、安定性を保っています。関節円板の動きが悪くなり、潤滑液の粘性や関節包の柔軟性が低下することで、顎の開け閉めに異常が起き、痛みや音が出るようになることは前述の通りです。このように関節に問題があるケースでは、手技やアクティベーターという器具を使用し問題を取り除きます。

筋肉の働きを整える


顎関節症の多くは筋肉の過緊張やインバランスが関わっています。
現代人は毎日約2000回~5000回咀嚼で顎の開け閉めを行っていると言われています。
咀嚼以外にも会話する際にも顎を動かします。この動作を可能にしているのが筋肉の働きです。
また、普段は意識しませんが、顎は重力の影響を受け頭の骨にぶら下がった構造になっていますが、筋肉や靭帯が支えてくれています。つまり、筋肉には毎日それなりの負担がかかっているわけです。顎関節には、大きく顎を開く筋肉と閉じる筋肉の2種類あります。顎を開く筋肉には外側翼突筋、閉じる筋肉には咬筋、側頭筋、内側翼突筋などがあります。そのため、顎のどの動きで問題がでるかにより、筋肉へのアプローチも変わります。

頸椎(首の関節)の働きを整える


頚椎の中でも特に第二頸椎のゆがみは顎関節の力学に強い影響があることがわかっています。
左右の顎の開きリズムを崩してしまいます。また、脊柱や骨盤は頸椎の土台です。そのため、一見関係のないように思われるかもしれませんが、頸椎をはじめ、姿勢に問題がある場合は全身のバランス調整を行う必要があります。

自宅でのセルフケア

施術と並行して、自宅でも簡単にできる顎関節や筋肉のストレッチとエクササイズを行います。
間違った癖、バランスを修正するのに非常に効果的です。

病院への受診が望ましい/必要なケース

顎の痛みの症例報告