肩の痛みShoulder Pain

肩は、上腕骨、肩甲骨、鎖骨、肋骨により構成されています。各骨のつながりにより、肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖節肩、肩甲胸郭関節の4つの関節があります。一般的に、これらの関節を総称して肩関節と呼ばれています。

肩関節は身体の中で最も可動域が大きい関節です。そのため、同じような構造をしている股関節と比較して、関節に対して靭帯による支持性が弱く、筋肉により絶妙に安定性が保たれています。また、股関節とは異なり体重負荷を受けない代わりに、常にぶら下がった状態となっているため日常的に靭帯や筋肉に負荷がかかっています。

このように「最も可動域が大きい」「靭帯の支持性が弱い」「日常的に負荷がかかりやすい」特徴があるため、知らない間に靭帯や筋肉が損傷を受けてしまうことがあります。結果として、四十肩・五十肩のような問題が次第に現れてくるのです。また、肩を頻繁に使う野球、テニス、水泳などのスポーツでも、同じ理由から痛みやしびれなどの問題を引き起こしやすい傾向があります。

代表的な肩の痛みの種類と原因

四十肩・五十肩(癒着性関節泡炎・肩関節周囲炎・凍結肩)


一般的に、50代前後に発症する肩関節の痛みと動きの制限を伴う病気の総称です。夜間痛を伴うこともあります。肩関節とその周辺組織に炎症が起き、拘縮や癒着が起きるとされていますが、正確なメカニズムは解明されていません。様々な議論がありますが、肩関節周辺の結合組織の拘縮や癒着を改善するためのアプローチや、過剰な神経の興奮を抑えるようにすることで、筋肉の緊張が緩み痛みや可動域が改善します。約2年で自然と痛みがおさまる傾向がありますが、リハビリやケアを怠ると可動制限が残ってしまうケースもあるため適切な処置が必要だと考えます。

当院では四十肩・五十肩に対する専門的なアプローチを行うことで、おおよそ3ヶ月~半年で良好な成果を上げています。

詳細はこちらをご覧ください。

棘上筋腱炎


肩関節のインナーマッスルには4つの代表的なインナーマッスルがあり、腱板を構成しています。その一つが棘上筋です。棘上筋は主に腕を上げる際の初めの30°までの動きに関わります。棘上筋は肩の骨にぶつかりやすく、この筋肉に炎症が起こった状態を棘上筋腱炎といいます。この問題が慢性化すると、インピンジメント症候群や四十肩・五十肩の原因となる場合があります。また、棘上筋は血液供給が乏しいため、一度傷めてしまうと治りにくい特徴がありますので、適切な処置を施す必要があります。

詳細はこちらをご覧ください。

インピンジメント症候群


インピンジメントとは「衝突する」という意味です。肩を上げる際、一般的に60°?120°のある角度で痛みやっかかりを感じ、それ以上挙上できなくなる症状の総称です。悪化するとこわばりや筋力低下を伴うこともあります。「猫背により肩が前方に出ている姿勢」「肩関節の軸の乱れ」「肩関節周辺の柔軟性減少」「遺伝的に肩峰が下方に突出している場合」「加齢により肩峰部分の変形が起き骨棘ができた場合」など原因は様々です。また、野球や水泳のように肩を頻繁に大きく動かすアスリートによく見られる問題です。

詳細はこちらをご覧ください。

トリガーポイント(筋筋膜痛症候群)


トリガーポイント(筋筋膜痛症候群)とは筋肉のコリのひどい状態で、コリの部分以外に症状を出すという特徴があります。慢性的な筋肉へのストレス、過度な筋緊張状態、損傷した筋肉に負担がかかるとトリガーポイントが形成され、肩の痛み、しびれ、感覚異常などを引き起こします。スポーツや猫背だけでなく、転んだ時に手をついたなど、ちょっとしたきっかけからトリガーポイントになることも多いです。このような筋肉の状態は病院での医学的検査では異常が見つからず、人によっては四十肩・五十肩と誤診されることもあるので注意が必要です。

詳細はこちらをご覧ください。

テニス肩


テニス肩は、棘上筋腱炎、インピンジメント症候群、肩関節周囲滑液泡炎、上腕二頭筋腱炎、肩甲上神経麻痺による棘下筋萎縮、上腕骨骨端線障害(リトルリーグ肩)などテニスのストローク動作によって引き起こされるさまざまな肩関節障害の総称です。ストロークやボールをヒットする際に肩には大きな負担がかかります。オーバーユースによる疲労の蓄積、肩関節の柔軟性が低下した状態では、肩に過剰な負担がかかり障害発生のリスクが高まります。年齢や体力レベルに合わせた適切な練習時間、柔軟体操、フォーム、練習後のアイシングやクーリングダウン、リハビリにより様々な障害を防ぐことができます。

野球肩


野球肩はテニス肩と同様に、棘上筋腱炎、インピンジメント症候群、肩関節周囲滑液泡炎、上腕二頭筋腱炎、肩甲上神経麻痺による棘下筋萎縮、上腕骨骨端線障害(リトルリーグ肩)などの投球動作によって引き起こされるさまざまな肩関節障害の総称です。 筋力が弱く、骨が発育途上のジュニアや壮年期では、肩関節周囲の組織に過剰な負担がかかりますので注意が必要です。また、日本伝統の体育文化として、根性論至上主義からオーバーユースに発展するケースが指摘されていますが、疲労が蓄積するとフォームが崩れ過負荷が加わりやすくなり、障害のリスクが高まります。

詳細はこちらをご覧ください。

関節唇損傷


関節唇は、上腕骨頭をおさめる肩甲骨の受け皿の役割をしている線維性の組織です。オーバーユースや強い負荷により関節唇が傷ついてしまうことがあり、この状態を関節唇損傷と言います。また、関節唇が剥がれてしまう状態を関節唇断裂を言います。断裂してしまうと、自然治癒することはあまり期待できませんので状態により手術の対象となります。

病院への受診が望ましい/必要なケース