背中の痛みBack Pain

背中は12個の胸椎・2つの肩甲骨・24本の肋骨により構成されています。胸部の背骨は後ろに凸のカーブがあり、肋骨とともに心臓や肺を守る役割を果たしています。背中に関わる骨には数多くの筋肉が付き、背骨を安定させるだけでなく、あらゆる方向に動かすためにも働きます。このように「内臓の保護」「身体の安定性」「身体の柔軟性」の役割を持つ背中は、複合的な機能が求められるゆえに問題を抱えるリスクがあるのです。

さらに、忘れてはならないのが「呼吸の役割」です。現代人の多くは前屈みになりデスクワークをすることが多いため、肩が前に出てる猫背姿勢になりがちです。その結果、胸郭が硬く狭まることで呼吸が浅くなります。私たちは平均して1日に14,400回の呼吸を無意識に行っていますが、それが上手くできないと代謝が落ち慢性疲労の原因になります。それだけではなく、呼吸の乱れは肩こり、肥満、消化不良や便秘、精神的ストレス、脳疲労にも繋がります。

良好な健康状態を保つには、適切な痛みのない背中の状態と呼吸が不可欠です。

代表的な背中の痛みの種類と原因

側弯症

側弯症とは、後ろから見て背骨が左右に大きく曲がっている状態です。側弯症は小学生?中学生頃の成長過程に罹患することが多いですが、無症状のことが多く気づいたら進行していたというケースも決して少なくありません。整形外科では早期に手術を勧められるケースもありますが、一方でカイロプラクティックのケアにより改善するケースもあります。特に早期にケアを開始した場合や、側弯症の原因が骨の構造ではなく歪みや可動制限、筋肉の緊張により引き起こされている場合はカイロプラクティックのケアはとても効果的です。また、幼少期からのケアにより、側弯の進行予防につながります。側弯症の原因はまだ解明されておらず、遺伝的、環境的、原因不明の突発的な要因と感がられています。

筋・筋膜痛症候群(トリガーポイント)

背骨・肩甲骨・肋骨には身体の中でも比較的多くの筋肉が付着します。多種多様な仕事を要求される背中の筋肉は、日常の姿勢が悪かったり不慣れな動作を繰り返すとオーバーワークとなり、痛みの悲鳴をあげます。このような場合には傷んでいる筋肉のケアだけではなく、姿勢や動きの中にも負担がかかる要素を見つけて対処していく必要があります。意外と自分の姿勢や動きというのは気付きにくいものですが、ヨガ・ピラティスなどの専門的なアクティブケアを通して患者さんご自身で良い状態を維持していくことも必要です。

圧迫骨折・肋骨骨折

圧迫骨折は一般的には60歳以上の女性に頻発し、骨粗鬆症に起因していることが多いです。日本整形外科学会によると、骨粗鬆症の他に強い外力によって起きたり、稀ですが骨腫瘍の転移によって起こる場合があります。年齢とともに骨が脆くなると、例えば大きな咳などでも骨折してしまうことがあり、これは肋骨にも同じことが言えます。丈夫な骨を維持することは一朝一夕には出来ません。私たちは自分たち自身と家族に対してアクティブ・エイジングを日々実践し、生涯骨折知らず・杖いらずを目指しています。

帯状疱疹

ウイルスが神経に感染することで、その神経に炎症が起こり痛むことがあります。背中では肋間神経という、肋骨に沿って背中から脇を通り全面の胸に向かって神経があります。神経が鋭く痛むと同時に皮膚にはっきりとした炎症が見られるので、帯状疱疹と言われます。感染症なので原因には免疫の低下が関係しています。機能内科に力を入れている当院では、背骨のケアだけでなく免疫を高めるための生活・食事指導にも力を入れておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

内臓からの痛み

あまり多くはありませんが、絶対に見誤ってはいけないものが内臓の問題からくる背中の痛みです。全体の背部痛の約5%程ですが、狭心症・心筋梗塞・急性腎炎などからも背中に痛みを感じることがあります。この場合は姿勢や動きによって痛みが変化しなく、徐々に悪くなったり他の症状を感じたりします。実際には背中の張りを併せ持たれていたりと判断が難しい場合がありますが、当院では最初のコンサルテーションとその後の経過を注意深く観察し、内臓疾患が疑われた場合は速やかに提携病院であるヒロ内科クリニックへご紹介させていただきます。

背中の歪みDistorsion

背骨は24個の骨からなり上に頭蓋骨、下には骨盤があります。背骨はその中を通る脊髄を守るために丈夫である必要があると同時に、様々な方向に動く柔軟性も求められます。しかしこのバックボーン(背骨)に歪みがあると、身体はあらゆる手を使って日常生活を送ろうとするために、延々と圧し掛かる負担は蓄積し、身体に警告信号として疲れや張り、痛み、コリを出します。
 
良い姿勢には良好な背骨の状態が不可欠です。良い姿勢だと身体が楽に動かせるだけでなく、内臓も正常に働きやすく、精神的にも望ましい効果があります。またその逆も然りで、お腹が痛かったり元気がないと背中が丸くなり、調子が悪いと背骨の状態が崩れます。この状態が続くと悪い姿勢を脳が覚えてしまうため、疲れやすく、なおさら姿勢が悪くなる悪循環に陥ります。そうなる前に早めの背骨のチェックとケアが必要です。
 
姿勢改善は主に3つのステップから改善することが可能です。
①まずはカイロプラクティックにより背骨の矯正を行い身体の軸を整えることです。軸がしっかりしないと、いくら正しい姿勢を意識してもすぐに疲れてしまい、他の事に集中することはできません。
②次に、足首の捻挫など過去の怪我の影響や日常生活での習慣や癖などのマイナス要素を探して対処することです。慢性的な問題では組織がすでに癒着してしまっている場合が多く、当院では米国医療特許を取得したARTと特殊なツールであるFAKTRを利用して癒着改善に良好な成果をあげています。
③ここまでで多くの方の改善が期待出来ますが、最後にヨガ・ピラティスを通じ、適切な運動により良い姿勢を持続させることができます。

代表的な背骨の歪みの問題と原因

ストレートネック

首には本来、前に向かって30~40度の凸カーブがありますが、これが30度以下にある状態がストレートネックです。主な症状は頭痛、肩凝り、首の痛み、上を向きにくい、めまい、吐き気、ふらつき感、手のしびれ、繰り返す寝違い、合う枕が見つからない、自律神経失調などです。

代表的な原因は長時間のデスクワーク。近年はスマートフォンの使い過ぎも大きな要因となっています。長くうつむく姿勢に加え、運動不足で首を動かす機会が少ない事も関わっています。他には過度に姿勢矯正を意識されている方をはじめ、背骨や骨盤だけでなく足のバランスが悪い方もストレートネックになりやすいです。また、一見姿勢に良い影響を与えそうなバレエ、ダンス、アイススケートなど回転する運動をされていた方の背骨は、回転軸がまっすぐになるように首を含めた背骨のカーブが小さい方もいらっしゃいます。

もしストレートネックが骨の構造的な要素ではなく、歪みや筋肉の過緊張から引き起こされている場合、カイロプラクティックにより改善が期待できますし、当院でもストレートネックに起因する問題から回復された患者さんは多いです。

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猫背(悪い姿勢)

猫背とは背中が丸く肩が前に出ていて、首や顎も前に出ている姿勢です。現代病の1つであり、
約9割の日本人が多かれ少なかれ猫背傾向とも指摘されています。電車や学校、会社、レストラン、車の運転中など至る所で良く見かけます。見た目が悪いだけでなく、疲れやすく集中力に欠け、内臓や呼吸器へも負担をかけてしまいます。
 
主な原因として、良い姿勢を保つために必要な筋肉がしっかり働いていないことで猫背になります。悪い姿勢だと疲れやすいため、これが悪循環を生み、癖となって身体に染み付きます。さらに猫背が慢性的になると脳はその位置が正しいと勘違いして覚えるため、癖を直すのは大変で時間がかかることになります。
 
自分で治そうと思っても正しい姿勢を3分も続けられない、猫背の方が楽、息が苦しい、身体を動かしにくいなど感じられる場合には、専門的なアプローチが必要になります。当院では背骨に正しい位置を覚えさせる矯正だけでなく、身体全体のバランスを整えた上で姿勢改善に必要なリハビリを実施していきます。姿勢矯正のプロであるカイロプラクターとピラティスのインストラクターが協力して正しい姿勢に導きます。

側弯症

背骨は後ろから見て完全な垂直ではなく、心臓を避けるようにわずかに緩やかな左凸のカーブがあります。側弯症はこのカーブが大きくなった状態ですが、単に左右のカーブだけでなく、捻れも伴うことがあります。つまり背骨が曲がった方向に回旋するのです。その結果、一方の肋骨が後ろに飛び出すので、身体を前に倒した際に背中を後ろから見ると、左右の肋骨の高さに違いが出ます。

日本では1%、1000人のうち10人(女性8人と男性2人)の割合で罹患していると報告されています。主に側弯症が出現し、進行するのは発育期です。多くの場合、症状や痛みが小さく本人も気がつかないほどです。側弯症の大部分は原因が不明です。放置してカーブが大きくなると身体に負担がかかりやすくなり、腰痛や首の痛み、内臓機能障害、呼吸器の問題などの症状を持つリスクが高くなります。側弯症は「早期発見・早期対処」がとても大切な症状の一つです。

組織の癒着

背骨の歪みを引き起こすものとして、過去の怪我や普段の習慣?癖があります。足首の捻挫や膝の靭帯損傷、顎に問題がある方で適切に改善していない場合には、一見背骨と離れていますが背骨の歪みの原因となります。また、テレビを見る時の悪い姿勢や片手でバックを持つ習慣、足を組む癖などをお持ちの方も、背骨のバランスを損なっている可能性があります。これらのような長い時間と関わる問題があると、身体は筋肉やそれを包む筋膜、靭帯などの組織の癒着という形で適応します。この適応した癒着状態を崩すには、米国医療特許を取得したARTと特殊なステンレスツールであるFAKTRが効果的です。